CESC 60周年記念誌「Jump to the furure!」
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82は故・繁田千恵が心血を注いだテーマでもある。研修講座はONLINEと対面、両形式で実施。「支え」部門は、心理相談・「わたし語り」・セラピー・グループなどと外部への相談事業支援の2事業を展開。また、カウンセリングの考え方を用いた社会貢献活動にも注力していく方針とした。NPO法人のカウンセラー養成講座ではこれらの資格取得は事実上不可能であり、今後も受講者の減少が続くものと考えられる。さらにコロナ禍でのオンライン研修の普及が、カウンセリング関連講座の乱立を招き、従来型のCESCの運営形態での維持は困難となっている。こうした状況を踏まえ前述のように専門性に特化した「学び」と「支え」を軸とし、さらに「暮らしと仕事に役立つ活動」を提供する方向へ舵を切ることとしたわけである。事業内容の変更にともない広報・集客手段であるホームページもリニューアル。電子版での60年史発行により過去の事業の検証と、今後に向けた新たな取り組みに着手したところである。専門性に特化した研修事業をめざすCESCは、TCS設立当初からのカウンセラー養成などのスクール事業を踏襲してカウンセリング教育事業を行ってきた。しかし1988(昭和63)年に臨床心理土制度ができ、指定大学院制度が整い、その受験資格は大学院修了者に限られることとなった。また、2018(平成30)年には国家資格の公認心理師の試験が開始され、2023年以降の受験資格は大学心理学部卒業者となる。さらに、現在は社会福祉士、精神保健福祉士など福祉分野の国家資格も制定されている。事務所移転と事業再編を断行2022(令和4)年、CESCは前身の横山カウンセリングセンターから60年となる年であったが、依然としてコロナ禍は続いており、事業活動も大きな制約を受けていた。財政の悪化の深刻化も懸念され、ほとんど使用しない神保町のオフィスを賃借していることも限界と判断。5月の定例総会で品川区西五反田への移転を審議し満場一致で承認された。同時に事業のあり方そのものの見直しも検討し、2023(令和5)年1月に財政状況改善とコロナ禍後の社会のニーズに対応するための「CESC の事業再編成について」を内外に発表した。事業の再編成と新たな活動内容は、それまで展開してきた「学び場」「伝え場」「支え場」「遊び場」の4部門5事業を「学び」と「支え」の2部門5事業に再編成することとした。「学び」はロジャーズとジェンドリン理論のPC/EAを発展させた『PCC(パーソンセンタード・カウンセリング)プラクティス・コース』とTA(交流分析)の理論を提供する『TAプロジェクト』を、また、ミッション「カウンセリングの叡智を暮らしに役立てる」から、『暮らしと仕事に役立つカウンセリング』の3 事業を展開する方針とした。『PCCプラクティス・コース』はTCS時代から大切にしてきた「体験的学び」を主軸に知的理解から腑に落ちる理解に至る内容とするもの。また、『TAプロジェクト』2022(令和4)年~「学び」と「支え」新たな基軸での事業再構築へ

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