54笈田 私はTAの理論をCESCで初めて勉強しました。目からウロコの理論でした。みなさんはTAに出会って、どのように感じられましたか。室城 私は法学部出身でその後社会福祉に入り直しましたが、最初に触れた心理学がTAです。最初は悩んでいた自分のために杉田先生や国谷先生のワークを受け、それが入り口となって、段々自分も学んでみたいとトレーニングに関わるようになったわけです。藤井 国際TA協会の資格は「トレーニングをする」という契約をきちっとしないと取れないですね。そういう点は、日本の他の心理療法と違いますね。室城 少なくとも国内の心理療法では、これだけきっちりとしたものはないですね。国際TA協会はすごくしっかりしていると思います。笈田 プログラムなどがはっきりしていますね。だから、きっちりやっていくのはかなり大変だったでしょう。関 試験は大変ですけど、でも楽しかった。TAの試験のカリキュラムはシステマティックに行われていますね。そしてオープンでもあります。室城 私も繁田先生にトレーニング契約を結んでもらったときは、再決断療法をやりたいという気持ちが強かったんです。でも、繁田先生からトレーニングを受けられたことがとても良かったと思います。繁田先生に習ったからこそ続けてこられた。人ってすごく大事だと思います。藤井 繁田先生は人との繫がりをすごく大事にされていました。私たちも大事にしてもらった記憶がいっぱいあります。室城 とにかく、TAの「自分の人生を自分で決められる」というのが私にとってはすごく衝撃でした。TAの哲学はすごく大事ですけど、それに加えて、自分が臨床の仕事をしていると、そこで何が起きているかを理解するのにTAがすごく役に立ちました。 私は非行に走った子どもたちと関わっていましたが、自分が彼らとの面接でうまくいかないとか苦しんだりするときに、何が起きているのかは理論がないとわからない。でも、それをTAという軸で見れば「今ゲームになっていた」とか、「自我状態がこういうふうになっていたな」とか、そういうことがわかります。それだけでも、そこで起きていることが理解できるし、良い方向に変えていくこともできます。そういう面でもTAの学びは、自分にとっては大きかったですね。スーパービジョン「I’m OK,You are OK」関 私がTAで一番好きなところは、一緒に共同作業しているということが双方でわかることです。臨床の現場でいうと、今何が起こっているのかをクライエントと共有できる。互いに協力して、クライエントがなりたいように、クライエントが変えたいところを目指して作業できる。それがすごく魅力です。藤井 私は自分が子育て中の頃、繁田先生に地元に来ていただいて、地域のお母さん仲間を対象に講座を開いたりしていました。「子どものことの全責任をお母さんたちが負わなくていい」といったメッセージをもらって、すごく助けられた。だからTAの学びで、子どもとの間で何が起きているのか私たちのTAトレーニング体験
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