関 TAを学んで、今指導者になっている方たちも、その人の人となりと理論が融合されて伝えられていると思いますし、だからこそ「その人から聞く」ということにすごく意味があると思います。そうした意味からも、また、日常生活の上でも繁田先生は全てにおいてTAを実践していた、TAを生きていたという印象があります。室城 そう思うと、もっと長く学びたかったと思います。残念ですね。53子ども家庭支援センター藤井 由利NPO法人カウンセリング 教育サポートセンター笈田 育子 その後、もっと勉強したいと思って交流分析学会の研修に参加し、そこで講師の深澤道子先生に「もっと勉強したいんだけどどうすればいいですか」と尋ねたら、六角浩三先生を紹介されました。六角先生のところに通ってスーパービジョントレーニングを受け、六角先生亡きあとは深澤先生からトレーニングを受けていました。 深澤先生が体調を悪くして入院されたあと、しばらくTAから離れていた時期がありましたが、その後、広島県福山市で開催されていたゲシュタルト療法のトレーニングコースに通ってゲシュタルト療法を学ぶようになりました。その過程でTAとゲシュタルトを統合した再決断療法をしっかり学びたくなって、繁田先生に突然連絡してお願いしたら、快く指導を引き受けていただけました。それが2013年だと思います。関 私は教員を辞めたあと心理の世界に入り、臨床動作法を学んでいたのですが、なかなか体得できず悩んでいました。自分自身の理論不足を感じて、理論を探していたときに、学生相談学会で行われていた鈴木佳子さんのTA講座に参加し、そこでTAにもう一目惚れという感じでした。これだと思って佳子さんに私を弟子にしてほしいと頼みに行ったら、本気で学びたいのなら指導者としてふさわしい人を紹介します、と繁田先生を紹介してくださった。それが繁田先生との出会いです。そこからはとにかく繁田先生の追っかけのようになって、先生の講座にひたすら参加。「あら、あなた、またいるの?」と言われてしまったこともありました。CESCでの101に参加し、その後、国際資格取得のために繁田先生にスーパーヴァイザーをお願いし、契約を結びました。藤井 繁田先生とのことで私にとって印象的なのは、最初の頃CESCで一緒に勉強していたときとは先生が変わられたことの一つ、TAでいう「NP」だけでなく「健康的なCP」をとても上手に使われて、私たちにもそれを伝えていこうという姿勢が感じられたこと。そのことはこれからも大事にしたいですね。室城 繁田先生のイメージはTAそのままだと思うんです。理論があるけど、それを人間として表しているような感じが先生の魅力だし、そこを我々が学ぶことができることはすごく貴重でした。
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