CESC 60周年記念誌「Jump to the furure!」
41/96

41相談員 CESC創立60周年おめでとうございます。 CESCには、数年前にパーソンセンタードの講座を受講させていただいて以来、お世話になっています。パーソンセンタードを実践されておられる先生方から直接学ばせていただくことは滅多にない機会で、大変貴重な学びとなっています。 私はパーソンセンタードを実践していきたいと思っていますが、それには体験を重ねながら自己理解を深め、人間的な成長を目指していく道筋が必要であると思っています。RogersやGendlinの理論を学び、「一致(純粋性、透明性)」「受容」「共感(的理解)」の三条件の実現を目指すだけでカウンセリングができるという、そんな簡単なものではないということは、学べば学ぶほど身にしみてきています。 パーソンセンタードを標榜するのはたやすいことですが、実際にパーソンセンタードであるのは難しいと感じます。だからこそ、拠点となる場所が必要ですし、CESCがその場を提供してくれていると考えています。今後もパーソンセンタードを目指す人達の居場所であり続けてほしいと願いつつ、CESCの更なる発展をお祈りしております。相談員 東京カウンセリングスクールに私が入学したのは40代半ばの春でした。現在は女性相談に携わっておりますが、先日のテレビ番組で、米国スタンフォード大学の研究も含めて大変勉強になる情報を得ました。マウスの実験ですが、「孤独になると生存に必要なアミリンという神経伝達物質が減り、孤独でなくなるとまた戻る」というのです。日頃、相談室で一番多い主訴は「孤独」だと感じておりましたので、納得がいきました。 そして、脳の同期化には時間と空間と目的、この三つを共有していることが必要だと言われます。言葉は情報を伝えるもので、気持ちを伝えるものではない。現代人は言葉に頼りすぎている。顔を近づけないと感じ合えないし信頼し合えない。ビデオ通話やリモートでは同期が起こりにくいとまで言われますと、電話相談よりは面接が望ましいということになります。家から出られない方、家庭の事情で家から出にくい方もいらっしゃいますし、ましてコロナ禍の今、何をどう考えていくのか改めて考えさせられました。「対面のポテンシャルがすごい」の言葉は強く残りました。創立60周年に寄せて対面のポテンシャルがすごい

元のページ  ../index.html#41

このブックを見る