26江戸川大学教授室城 隆之 成城大学学生相談室関 真利子 CESC創立60周年おめでとうございます。私とCESCとの出会いは比較的最近であり、2015年度に開催された故・繁田千恵先生の「交流分析アドバンス(TA202)人格適応論」の講座に通ったのが最初でした。そして、2020年度からは私自身が、ゲシュタルト療法やTAゲシュタルト療法の実践トレーニングコースを担当させていただいています。 私にとってのCESCのイメージは、日本で有数の人間性心理学の教育・実践機関であるというものです。パーソンセンタード・カウンセリングはもちろん、TA(交流分析)、ゲシュタルト療法など、CESCでは実存哲学・現象学を基盤とした人間性心理学に基づく心理療法のトレーニングと実践を提供しています。現在、日本でここまで人間性心理学に重点を置いた教育・実践を行なっている機関は、ほとんどないのではないでしょうか。 私は、人間性心理学は、一人一人を尊重する人間愛に基づいていると思います。そしてそれこそ、今の日本、そして世界に必要なものだと考えています。これからもCESCが日本における人間性心理学の、そして人間愛のリーダーとして発展していかれることを期待しております。楽しみです。 創立60周年、おめでとうございます。長きにわたり多くの人々を支え続け、他者に寄り添う専門家を世に輩出してこられたCESCの活動は、誠実で地道な取り組みとして私の中に印象深くあります。そしてそれは師匠である繁田千恵先生が心血を注ぎ、スタッフの方々と作り上げてきた大切な学び舎です。 繁田先生はことあるごとに、CESCの講座が先生にとっていかに大切なものかを話してくださいました。そして一人一人に沿うということ、よりよいものを提供するために努力を惜しまないということ、そこに集うすべての人とともに、その「場」が創りあげるものをいかに大切にするのかということを鮮やかに見せてもくださいました。 これまで、多くの方々とともに学んでまいりました。その参加の目的も講座に求めるニーズも実にバラエティーに富んでいましたが、常にCESCの持つ雰囲気は温かく、その土壌には養分がいっぱいで、各々がそこから必要なエネルギーを得て、自らの持ち場に戻って行く営みが続いてきた、そんな風に感じてきました。 60年という時間の経過の中では時代も変わりましたし、ここ最近ではコロナの猛威によって他者とのかかわり方にも大きな変化が強いられました。その中にあってなお柔軟にCESCは支えあいと学びの場とを提供し続けています。そして今後も世の中の変化に嫋やかに沿いつつ、CESC自身も必要に応じた変化をしながら、その使命を果たし続けていくものと思いますし、そうあることを願っています。CESCに期待することCESC創立60周年を迎えて
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