CESC 60周年記念誌「Jump to the furure!」
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20関西大学教授中田 行重  研修のための民間の組織が60年も続くというのは大変なことだろうと思います。創立時点では、創設者やその周囲にいる人たちの熱い想いと勢い、そしてそれを許す環境や時代もあって事業を開始出来ても、時代が過ぎ、人が変わり、環境や社会が変わると、組織を継続するための膨大なエネルギーが必要になります。特に、その創立時のニーズは時代が進むと変わったり薄まったりするので、組織を維持する人たち自身もそのモチベーションを発掘するのが重い課題になってくることがしばしばあります。 この3年間のコロナ禍により、オンライン研修が乱立するようになり競争が激化した結果、CESCは経営が困難に陥ったとのことです。しかしCESCはそれで終わりませんでした。支出をスリム化し、場所も移転して、創立60周年を機に経営方法を変革させ、新たな再出発を図るとのご連絡を受けました。組織を継続させる役割を担った笈田代表理事をはじめ運営理事の皆様は、この数年の苦しい時期、モチベーションを維持することがさぞ大変だったことと思います。また、長い伝統を持つ組織として方針を変更するのは大きな決意も必要だったことでしょう。 地球環境を含めて世界が大きく不安定化している現在、このような変革を今後も重ねていく必要が出てくるでしょう。その変革を、創立時の気概を持ち続けつつ重ねていくことが組織としての適応ですが、その適応は同時に発展の方向を切り開く進化にもなり得ます。CESCはまさにそういう時期に創立60周年をお迎えになられているのだと思います。これを機に更なる進化を遂げることを期待しております。 私個人はパーソンセンタード・カウンセリングの講座に呼んでいただいたことがあり、そこからCESCのスタッフの皆様とのお付き合いが始まり、皆様の熱い想いに触れてきました。 現在の日本においてロジャーズ派の研修を専門的に行っている数少ない組織として、60年も続いていることは素晴らしいことだと思いますし、それを支えてこられたスタッフの皆様のご尽力に頭が下がります。 CESCの今後の継続、発展を心より願っております。 創立60周年、おめでとうございます。創立60周年を迎えるCESCに期待すること

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