CESC 60周年記念誌「Jump to the furure!」
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10NPO法人カウンセリング教育サポートセンター理 事 高杉 葉子 (立教大学相談員) CESCが創立60周年を迎えました。喜ばしい限りです。会員のみなさま、また、これまでCESCで学ばれた諸先輩の方々とともに、心からお祝いさせていただきます。何よりも、CESCの運営に携われたみなさまに感謝申し上げます。これまでの60年、数多くの先生や先輩方が運営に尽力され、受講生一人一人に心を配り育ててくださいました。特に、今は亡き松原達哉先生と繁田千恵先生は、CESCを長きにわたって支えてくださいました。お二人の笑顔は今も忘れられません。再度、CESCに関わってくださったみなさまに、深く感謝申し上げます。 私が入学した2000年、東京カウンセリング・スクール(TCS)はCESCとなりNPO法人化されました。新生CESCでは、カウンセラー養成のために、カウンセリング理論を学びつつカウンセラーとしての実力をつけることを目標とした、4年にわたるプログラムを提供していました。とりわけC. Rogersが提唱したカウンセリング理論を中心に多くの療法を教授され、またカウンセリングで聴くとは何かを、BEGやロールプレイなどの実習、演習を通して指導されてきました。 さらにCESCでは、自己を振り返り内面深くに在る感情や思いに気づいて、洞察を深めることをとても大事にしていました。受講していた当時、講師から「自己を理解できた分だけ、他者を理解できる」とうかがったときはよく解らなかったのですが、今はその意味を少し理解してきたように思っています。また講師の先生方は、受講生への受容と共感を大切にして関わり、温かな関係性を築き育まれていました。これら自己理解と他者関係の在り様は、今も私の大事な宝物ですし、CESCが大切にしてきた伝統のようにも思っています。 そして2023年度、CESCは新たなステージに移ります。これまではカウンセラー養成を中心に置いていましたが、現在の社会的動向や心理業界のニーズに合わせて、専門性に特化した研修を提供することとなりました。また、講義形式では対面の良さも活かしつつ、オンラインによる学びを中心に提供し、さらにオフィスを移転して経営のスリム化も図る予定です。 CESCは、心理社会的問題に対応する必要性のもと創立されました。今後も「今を生きる人たちのために」というCESCの中核を大切にして伝統を継承するとともに、時代の要請に合わせた変革にも十分対応していきたいと思います。不確実で予測困難な時代の中でCESCの役割を果たすべく、みなさまとともに歩み続けていきたいと願っています。CESC創立60周年を迎えて

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